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高齢者の自殺

死 地域包括支援センターの日常
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 最近、わが自治体では「高齢者の自殺」が問題視されている。

 おいらも包括支援センターの職員として、対応策に頭を悩ます毎日。

 「別に死を選ぶのなんて本人の自由でしょ」

 おいらもそう思わないでもない。

 しかも、高齢者の自殺は若者の自殺と違って考えた末に選んだことだろうとも思うし。

 でも「自殺は本人の自由意志」とばかりも言っていられない事実があったりして。

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自殺は伝染する

 社会学者のDavid Phillipsという人がニューヨークタイムズの一面に掲載された自殺記事と1947年から1967年までの全米の月刊自殺統計を比較した。

 この調査結果はウェルテル効果といわれている。

  • 自殺率は報道の後に上がり、その前には上がっていない。
  • 自殺が大きく報道されればされるほど自殺率が上がる。
  • 自殺の記事が手に入りやすい地域ほど自殺率が上がる。

等。

 この理論は、その後さまざまな調査で裏づけされているそうだ。

 この調査は「新聞記事による自殺報道と自殺者の増減」についての調査だが、TVでも噂話でも効果は同じだろう。

 実際、タレントの岡田有希子が飛び降り自殺したときには、おいらの居た病棟には「飛び降り自殺して死に切れなかった」という若い女の子が5人も立て続けに入院してきた。

 また、報道などされなくても、狭い地区で続けざまに同じ方法で同じような年代の人が立て続けに自殺する。ということも経験した。

 確かに、自殺は伝染する。

 傾向としては

  • 同じくらいの年齢。
  • 同じ自殺方法。

 である場合が多いのだが・・・。

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親しい人が自殺した人は自殺するリスクが高い

 親しい人の自殺を経験した人は、自殺に対するハードルが低いとも言われている。

 要は「親しい人が自殺した経験のある人は自殺するリスクが高い」

 「親しい」にはいるのは「親」「兄弟」「友達」はもちろんのこと「知人」「同級生」「近所の人」なども含まれる。

 こうなってくると「自殺は本人の自由意志」「高齢者の自殺は若者の自殺と違って考えた末に選んだこと」とばかりも言ってられなかったりして。

 とはいえ、個人的には、「死ぬ権利もある」と思ったりもして、職業上の義務と本音に悩む今日この頃。

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