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自らの虐待を相談した来た家族

家族の問題 地域包括支援センターの日常
家族の問題
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 「母の介護をしているが、いらいらして手を上げてしまう。このままだと、大怪我させたり、下手をすると殺してしまうかも」とある日相談があった。

 あんまりこんな相談は多くないんだけど。

 たいていの場合、

 ばあちゃんが「嫁が虐待する」

 親戚が「子供たちが親の年金を食い物にしている」

とか言ってくるパターンが多いんだけど。

 このケースは、息子が「母をたたいてしまう」と自ら相談してきたケース。

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母親の保護に動いた

 要するに、「息子が介護に疲れて母を虐待してしまっている」と相談してきたわけだ。

 息子は地域でも「いい人」「親孝行な息子」と評判の人。

 本来体裁もあるし、普通の人でも「自分の母親に手を上げてしまう」なんて準公共の機関に相談に来るなんてのは、結構追い詰められてるんじゃないだろうか?

 で、包括支援センターとしては市役所の虐待担当に相談した。

 虐待担当の職員は「母親を老人ホームなどに保護する方向に動きましょう」との返事。

 介護に疲れた息子のほうも同意が得られちょっと安心。

 まあ、一時的にでも老親と介護に疲れた息子を離すことができれば、状況が落ち着いて、そのうちまた一緒に暮らすこともできなくはないし。

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訴えがあったから施設入所なんてさせてたら、入所の順番を待ってる人はどうなる!

 が、ここで高齢のベテラン市役所職員からクレームが。

 いわく、「訴えがあったから施設入所なんてさせてたら、入所の順番を待ってる人はどうなる!俺だって母親を介護してる。」

 うーん。

 要は入所待ちしている家族が沢山いるのに「自分が介護疲れで虐待してしまったなんて理由で施設入所をさせるのは、不公平だ」ということらしい。

 市役所の担当者はベテランの先輩に逆らえず・・・。

何かあったときに矢面に立つのは

 「介護疲れから老親を殺した」なんて事件で、矢面に立つのは担当の職員やら関係者。

 が市役所の内部では、担当者が何とかしようとしても担当者以外のところで、こういう職員の反対があったりして身動きが取れなくなるってのが良くあるんだろうなあ。

 なんだかなあ。

 自分から「虐待してます。助けてください」っていうのは、勇気がいることだと思うんだけどなあ。

 助けてあげたいんだけど・・・。

 間違ってるのかなあ。

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