包括支援センターの仕事の一つに、虐待の対応というのがある。
この虐待の対応の流れ、ケアマネージャーでもあまりよくわかっていない人が多い。
というか、「虐待通報している」という意識もない人もいる。
どんな小さなことでも虐待になる可能性があれば包括は動くのだ
どんな小さな些細なことでも「虐待」の可能性があれば、包括支援センターは動き出す。
例えば、介護をしないで放置しているとか、認知症の人の行動を止めようと思って、体の一部分をたたいたとか。
年金の使い込みとかも虐待になる場合がある。
世間一般で「こんなの虐待にならないでしょ」と思うことでも、可能性ありということで包括は動かざる負えない。
やった本人も周囲も、受けたほうが虐待と思っていなくても包括は動くのだ。
虐待通報を受けた場合の流れ
虐待の可能性のある話が耳に入ってきた場合、まず、包括は2人チームで虐待を受けた可能性のある人と虐待をした可能性のある人に話を聞きに行く。
話を聞いた後は、その話をもとに文書を作って、市と協議する。
そこで「虐待」と認められると、そのあとは、虐待対応に対する計画書を作る。
数か月後にまた会議して、「虐待」が起こらないと確認できるまで、状況の確認と書類の作成と会議を繰り返す。
一回の会議から次の会議までは約3か月。
大体の場合、虐待を受けたほうか、虐待をしたほうが施設に入ったりして、「虐待が起こらない」と判断できるまでは虐待対応は続くのだ。
なかなか骨である。
警察からの通報だった場合は、警察へ報告書も出す。
というようなわけで、虐待になる可能性がある話が耳に入ると、包括支援センターは一気に忙しくなる。
高齢者虐待の定義
包 括支援センターが扱う高齢者虐待の定義というのも、たぶん世間一般の常識からは多少ずれている。
「高齢者虐待」として扱われるのは「虐待したほうが虐待された方の面倒を見ていた場合(養護者である場合)」に限る。
逆パターンの「虐待したほうが、虐待を受けた方の面倒を見ていなかった場合」高齢者虐待とは扱われない。
ただし、客観的に見て、「本来面倒を見なければいけなかったのに必要な介護や面倒を見ていなかった」「必要な介護サービスを受けさせなかった」ってな場合はネグレクトということで、高齢者虐待になってしまう。
こう考えると、介護などはできるだけ人に任せて、直接手を出さないほうが無難な代物と思えてくる。
虐待している方の支援もする
ちなみに、包括支援センターは虐待している方の支援もやる。
考え方とすると「虐待をしてしまった方にもそれなりの状況があり、支援が必要」ということ。
例えば、失業中でお金がないとか、精神的に参っているとか、精神の病気にかかっているなどの場合は、間に入って、貸付金の紹介をしたり、相談できる場所につないだり、一緒に病院に行ったりする。
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