ミトコンドリアDNAを調べると母系の遺伝的なつながりがわかる。
進化の過程なんかもわかる。
でも、ミトコンドリアDNAっていったい何?
そもそもミトコンドリアって何?
ミトコンドリアの役割
ほとんどの動植物は多数の細胞が集まることで組織・器官を作って生きている。
細胞(真核細胞)は、核を中心に小胞体やゴルジ体、さらにはミトコンドリアなどのさまざまな細胞小器官(オルガネラ)が独自の機能を発揮して、それぞれに細胞に関わっている。
通常、DNAは細胞の核の中にある。
でも、ミトコンドリア内には核とは独立したゲノムが存在し、また他のオルガネラには見られない二重の膜構造になっている。
このミトコンドリア内のゲノムをミトコンドリアDNAと呼ぶ。
なぜ、ミトコンドリアだけが細胞核と別に独立したDNAを持っているかというと、元々別の生物だったから。
好気性細菌が真核細胞の前身となる細胞に寄生し、その後進化して現在のような形になったと考えられている。
要するに、進化の過程で通常のDNAより変化が速いため生物の進化を研究する重要な材料となる。
父親と母親の間に出来た子供のミトコンドリアは、母親のミトコンドリアDNAを受け継ぎ、父親のミトコンドリアDNAは受け継がない。
といった特徴がある。
ミトコンドリア・イブ
子供のミトコンドリアは、母親のミトコンドリアDNAを受け継ぎ、父親のミトコンドリアDNAは受け継がない。
アフリカ、ヨーロッパ、アジアの女性のミトコンドリアを採集して、その祖先を辿る研究が行われた。
この研究により、約17万年前に生きていた1人のアフリカの女性に行き当たった。これをミトコンドリア・イブという。
イブは聖書の中の最初の人類女性「イブ」の意味。
ミトコンドリアの働き
ミトコンドリアの役割としては、
ミトコンドリアは細胞の司令塔のような役割をしているといわれている。
ミトコンドリア病
ミトコンドリア のはたらきが低下すると、細胞の活動が低下する。
ミトコンドリアの働きが低下することが原因でおこる病気を総称してミトコンドリア病と呼ぶ。
ミトコンドリア病は、あらゆる年齢に、男女の差なく、あらゆる症状が現れるというのが特徴。
原因
遺伝的原因…ただし、ミトコンドリア以外の因子もかかわっている可能性が高く、母からの遺伝がそのまま、病気の原因とはいえない。
薬によるもの
予後
ミトコンドリア病の臨床経過も、急性に現れる場合、ゆっくり症状が現れる場合、ゆっくり改善する場合、ほとんど変わらない場合などあらゆる経過がありうる。
ミトコンドリア病の患者さんの将来予測はたいへん難しい。
ミトコンドリア病は公費対象
成人は指定難病(難病指定21)。
18歳未満の場合は小児慢性特定疾患治療研究事業の対象疾患。
難病指定の手続きや問い合わせ先は居住地の保健所が窓口。
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